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恋ばか

第9章 ~婚約~

亮が何を思ったのかはわからない。
でも、確かなのは…亮の手から伝わってくる体温が暖かくて、さっきまで不安だったのが嘘だったかのように安心できたって事。

亮はお祖父様が来るまで、ずっと手を握っていてくれた。

そのおかげで、俺は落ち着いてお祖父様との対面に心の準備をする事ができた。

そして、運命の瞬間―…

「坊ちゃま。 桜木様がいらっしゃいました。」

「わかった。 客間にお通ししろ。」

使用人が去ったあと、亮は俺の手を握ったまま立ち上がった。

「行こう?」

「うん。」

俺は亮に手を引かれて、お祖父様が待っている客間に向かった。

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