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恋ばか

第10章 ~婚約者~

「っ!!」

境が驚いて綾音に詰め寄った。

「どういう事だよ、綾音!?」

「そ、そんなの嘘に決まってるじゃない!!」

春架が小刻みに震え始めた。

俺は春架の手を振りほどくと、振り返って春架を抱きしめた。

「春架…大丈夫だから。 嫌だったら耳塞いでな。」

「…う…ん…」

春架は俺に言われた通り、耳を塞いでぎゅっと目を瞑った。

俺は春架の肩を抱きながら綾音の方を振り返る。

「留架…どういう事だよ? お祖父様のご命令じゃないって…」

俺は頷くと、ゆっくり話し始めた。

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