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恋ばか

第1章 ~出逢い~

俺が境の変化に驚いて返事できないでいると、亮が口を開いた。

「悪いけど、コイツ俺のだから。」

亮はそう言って俺を抱き寄せてきた。

「俺はお前に聞いてるんじゃない!! 俺は留架に聞いてるんだ!!」

境が俺を指差す。

それにつられ、亮も俺の事を見る。

「留架…どうなんだ? 正直に言ってくれっ!!」

俺は…亮の事…

「俺は…亮の事…好きじゃない…」

「!! じゃあ、俺と付き合ってくれる!?」

「でも…」

「でも…?」

「亮なら…亮なら本気で好きになれる気がする…だから…俺は亮と付き合うよ…ごめん、境…」

顔が真っ赤になった。

境の顔を見ると、今まで見たことない表情をしていた。
絶望したような…でもまだ、諦めてないような…

辺りを静寂が包む。

沈黙を破ったのは亮だった。

「まあ、そういう事だから。」

そう言うと、亮は俺の手を引いて屋上から立ち去ろうとする。
屋上から出るとき、俺は境を振り返った。

…境の背中はなんだか寂しそうだった。

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