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恋ばか

第11章 ~父~

「怖い思いをさせてしまい、申し訳ございません。 旦那様にあなたの居場所を知られないように、いろいろ手配していたのですが…」

その言葉に、俺は首を横に振った。

「ううん…来てくれて…ありがと…」

泣きながらだから少しぎこちなくなってしまったが、三神は嬉しそうに微笑んだ。

「では、また。」

「あっ…うん…」

三神はそう言って立ち上がると、春架に声をかけた。

「春架様はいかがなされますか?」

春架は少々戸惑った様子だったが、俺の方をチラッと見ると、三神の問いに答えた。

「…一旦屋敷に帰る。」

「承知しました。 では、帰りましょうか?」

春架は三神の言葉に頷くと、俺に声をかけた。

「今日はごめん、兄ちゃん…また、明日ね。」

「…うん。」

春架はそう言って、三神と部屋を出て行った。


―とにかく、何とかこの場は収まった。

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