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恋ばか

第11章 ~父~

「…どういう意味だ?」

父さんは厳しい顔で三神を睨みつけた。

三神は一瞬口を開いたが、すぐに閉じた。

「どうした? まさか、何も考えがなくして私を殴った訳ではあるまい。」

その言葉に三神は頷いた。

「もちろん理由はあります。 …しかし、続きは帰ってからにしましょう。」

答えが予想外だったのか、父さんは少し顔を歪めた。

「…帰ってから?」

「ええ。 話も長くなりそうですし…それに、ここだと話しずらい事もありますので。」

三神の言葉を聞いて、父さんは渋々ながらも頷いた。

「いいだろう。 私が納得出来なかったら…わかっているな?」

「はい。 もちろんです。」

父さんは三神を一睨みすると、「綾音、帰るぞ!!」と、綾音を連れて部屋から出て行った。

しばらく部屋に沈黙の時間が流れる。

三神はゆっくりと俺に近づくと、優しく頭を撫でてきた。

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