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恋ばか

第2章 ~保健室~

亮に手を引かれたまま校舎の中を進んで行く。
しかし、異変に気づいた。
廊下ですれ違う人がこちらに変な視線を向けている…?

なんでだ…?

よく考えてみる。
しかし、考えるまでもなく、その答えはすぐに見つかった。

なるほど、確かにそうだよな…

今まで、先ほどの屋上の出来事の事で頭がいっぱいで気にしなかったが…

男二人が手を繋ぎながら校舎内を歩いていたら、それは変な目で見られるに決まっている。

「りっ、亮…」

俺が呼ぶと亮はこちらを振り返る。

「ん? なに?」

「あの…周りからの視線が…」

俺に言われて亮も初めて気づいたようだ。
納得したような顔になった。

「じゃあ、保健室行こうか?」

「え…?」

「保健室だよ、保健室。 ほら、行くよ?」

そう言うと、亮はさっきよりも歩くペースをあげて歩き始めた。

「うわっ!! ちょっ、おいっ、待てよ!!」

亮は俺の言葉を無視して、俺の手を離さずにスタスタと歩き続ける。

そんな事をしてる間に保健室につく。

保健室には、生徒はおろか先生も居なかった。

「あれ? 先生は?」

亮に聞いてみる。

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