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恋ばか

第12章 ~崩壊~

「…留架?」

ゆっくりと振り向き、ほんの一瞬だけ…強く亮に抱きついた。


これが最後だから…少しだけ…


すぐに亮から離れ、少し距離をとる。

「…今までありがと。 楽しかったよ。」

「…っ…」

最後くらい、笑っていたい…

きっと、俺はみっともない顔をしていただろう。
しかし、泣いて別れるよりは、無理にでも笑って別れたかった。

俺は、今出来る限りの満面の笑みを浮かべると、再び口を開いた。

「…春架なら、きっと俺以上の存在になるよ。 執事としても、恋人としても…さ。」

春架の方を見てにっこり笑った。

「…見事にとられちゃったな。」

「兄ちゃん…」

再び亮に向き直り、言葉を交わす。

「春架の事…頼んだからな…幸せにしてやれよ。」

「っ…留架!!」

振り向き、ドアを開けると一瞬だけ足を止めた。

「じゃあ、また学校でな。 …小原。」

「っ!!」

その言葉を最後に、俺は部屋を後にした。

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