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恋ばか

第14章 ~本心~

~留架SIDE~
亮の部屋を飛び出して走ること数分…

気づけば、前に住んでいたマンションの近くだった。
もう引き払ってあるから、部屋は空っぽの筈だ。

(ちょっと、行ってみようかな…)

そう思って、マンションに向かって歩き出す。
しばらく歩くと、マンションが見えてきた。

(懐かしいな…)

ここに一人で住んでた頃…まだ亮と会ってなかった。
亮は境に犯された俺を…父さんや母さんの事で悩んでいた俺を…受け入れてくれた。
亮はいつでも…俺のそばにいてくれた…本当の俺を見てくれた。

「…っ……」

我慢していた分の涙が溢れてくる。

本当は…別れたくない…でも…

亮の話を聞いて、思った。

俺は殴られても、襲われそうになっても、亮を責めたり、嫌いになんかならなかった。

でも、亮は薬を盛られて春架を抱いたという。
もうそこで、思いの強さが違う。

いつからだろう…こんなに亮と離れてしまったのは…

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