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恋ばか

第14章 ~本心~

上げてみた腕は…

(なんだよ…これ…)

血だらけだった。

(どうなってんだ?)

わけがわからず首を横に傾ける。
視線の先には、ボンネットが潰れた車と人の山。

(俺…もしかして…はねられた…?)

この状況からして、それは間違いなさそうだ。

(なんか…体が熱い…)

体全体が焼けるように熱い…

俺は痛みに耐えながら、首を正面に向き直した。

(…こんな日に限って快晴…か…)

目に入ってきたのは、雲一つない空。

(ヤバ…なんか、急に寒くなってきた…)

焼けるような熱さの次に訪れたのは、凍えるような寒さ。
だんだんと、血の気が引いていった。

(…死ぬのかな…俺…)

そう考え、それでもいい。と思った。

境もカズも、きっと幸せになれる。
春架は…亮が幸せにしてくれるだろう。

みんなきっと、大丈夫だ。

遠くで、救急車のサイレンの音がする。

(な…んか…眠くなって…き…た…)

だんだんと意識が薄れていく。
ゆっくりと目を閉じた。

(りょ…う…)

救急車のサイレン音が近づいてくるのを聞きながら、俺は意識を手放した。

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