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恋ばか

第16章 ~記憶~

「…嘘でしょ、父さん? 冗談だよね…? だって…」

「全て事実だよ、留架。」

父さんはつらそうに顔を歪めた。

「なんで…? 俺、なんか悪い事した? どうし…て…」

「わからない。 しかし、残念な事に、これは紛れもない事実なんだ。」

テープレコーダーに録音された声を聞いても、その話を信じられない。

「嘘だよ、父さん…だって、境達がそんな事するわけない…」

「現実を見なさい留架。」

嘘だ…そんなの嘘に決まってる。

「…つらいだろうが、受け止めるんだ。」

信じられない…信じたくない…

「留架…」

父さんが何か言っているが、頭に入ってこない。

(だって…なんで…そんな…)

信じられるわけがない。


境達が俺を騙していた。



なんて…

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