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恋ばか

第17章 ~新しい恋人~

五十嵐である境は窓際の列の2番目。
俺は列が変わって2番目。
留架も列が変わって2番目。

…というわけで、奇跡的に3人並んだのである。

「…ありがと、空。」

「いいよ。」

空は留架に向かってにっこり笑うと、自分の席に着いた。
補足しておくが、空は留架の前の席である。

「これで全員揃いましたね。 では、授業の準備をして下さい。 最初は…私の授業ですね。」

その言葉で全員動き始める。
もちろん、みんな留架の周りに群がる。

まあ、主に女子だが…

境も席から立ち上がり、留架に歩み寄った。

「留架…大丈夫なの? あれから病院に行っても会ってくれないから心配して…」

境はそう言って、留架に触れようとした。

「…ゃっ!!」

―が、留架が境の手をはじいた。

クラスが一瞬にして静まり返る。
聞こえるのは、留架の荒い息づかいだけ…

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