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恋ばか

第17章 ~新しい恋人~

「留、留架?」

「あっ…」

再び境が手を伸ばすと、留架はほぼ反射的に席から立ち上がった。

「や……て…」

左足を引きずりながら、後ろに後退していく。
留架はぱっと見ただけで分かるくらい、震えていた。

「どうしたんだよ留架…?」

「来な…で…触…ないで」

境がもう一度口を開こうとしたとき、空が間に入ってきた。

「もう、その辺にしておけ。」

「空っ!!」

留架は安心したように空に抱きつく。
空は留架をしっかり抱きしめると、境を振り返った。

「留架に触るな。 こいつは俺のだ。」

「なに言って…」

クラスにいる全員がこの2人の会話に聞き入っている。

空は境から留架に視線を戻すと、優しく頭を撫でた。

「留架、大丈夫だよ。 落ち着いて、ゆっくり息して…」

「空っ…空…」

空に言われた通り、留架はゆっくりと呼吸を繰り返す。
しばらくすると、落ち着いてきたのか留架は空から少し離れた。

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