恋ばか
第18章 ~違和感~
(なんで俺なんだよ…)
先生から受け取った封筒を見てそう考える。
(境に頼めよ…)
そう思いながら、急いで目的の人物を探す。
俺が職員室に呼ばれた理由は、ただのおつかいだった。
『じゃあ、これを小原に渡しておいてくれ。』
なぜ俺なのかと先生に問うと、答えは意外なものだった。
『事故に遭う前はよく一緒にいただろ?』
『一緒に…?』
更に先生を問い詰めようとしたところで、職員室を追い出されてしまった。
(とりあえず、生徒会室に向かうか。)
そう思い、職員室の前から移動する。
(たしか2階だったっけ?)
階段に向かいながら、さっき先生が言ったことを考えてみる。
(よく一緒にいた? 俺は空と一緒にいたんじゃ…)
思い出そうとすれば、一瞬、鋭い痛みが頭を走った。
「ぃ…っ…」
―と、そのとき、はしゃいでいた中1らしき女の子にぶつかってしまった。
「あっ…」
その衝撃で階段から落ちそうになる。
固く目を閉じ、痛みに備えた。