恋ばか
第18章 ~違和感~
(…ここは…?)
目の前には、なにもないただの闇。
(また夢か…)
辺りをキョロキョロ見回す。
しかし、やはりなにもない。 広がっているのは暗闇だけ。
(動きたくない…)
そんな俺の願いはかなわず、俺の意志に反して、体が勝手に動き出す。
(いやだ…そっちには…)
しばらくすると、どこからか一筋の光が差し込んできた。
(ゃ…だ…っ…)
必死に逃げようとするが、体は言うことをきいてくれない。
(あ…)
その時、後ろから腕を掴まれた。
そして、そのまま無理矢理抱きしめられる。
(やめっ…)
顎を掴まれ、上を向かせられた。
ゆっくりと…顔が近づいてくる。
「やぁっ!!」
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「はぁ…はぁ…」
そこまで見て、ベッドから飛び起きる。
辺りをすばやく見回し、ようやくここが空の部屋だと理解した。