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恋ばか

第19章 ~愛しい人~

「り…小原さん…いや…その…なんでもないです…」

「なんでもないって…」

シャツを手繰り寄せ、露わになった身体をできる限り隠す。

(見られたくない…こんな…無理矢理犯された身体…)

亮から顔を逸らしたまま、声を絞り出した。

「本当になんでもないんで…大丈夫ですから…」

(お願いだから、帰ってよ…)

これ以上、惨めな姿を亮に見せたくなかった。

しかし、そんな俺の願いは叶わず、亮はこちらに近づいてきた。

「…そういえば…さっき俺の名前呼んでたけど…思い出したの?」

「はは…そんなわけないじゃないですか。」

バレないように必死に平静を装い、亮の問いに答える。

「ふ~ん…じゃあさ…」

亮はベッドに腰かけると、更に問いをぶつけてきた。

「俺が保健室に運んだ時…俺の名前を呼びながらすがってきたのはなんで?」

「……ぇ…?」

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