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恋ばか

第22章 ~別れ~

「…春架のこと、呼んでくる。」

「待って。」

春架の後を追いかけようとすれば、亮に後ろから抱きしめられた。

「離してよ…亮…」

「留架…やっぱり間違ってた。」

耳にかかる亮の息。

「離してっ…」

「留架!!」

うわ言のように言葉を繰り返す俺を、亮は更に強く抱きしめた。

「好きだよ。」

「…っ……」

体を反転させられ、真っ直ぐ見つめられた。

「留架は?」

「…りょ…うっ…」

額と額を合わせられる。

「言えよ…」

「…っ…ぉ…」

互いの息が交じり合う。

「俺もっ…好…んっ…」

言い終わる前に、亮に唇を塞がれた。

その先は、もう必要ないと言うように。

「んんっ…ぁ…はっ…」

亮の首に腕を回し、必死にキスに応える。

「んあっ…りょ…ぅ…ッ…」

唇が離れれば、銀の糸が引いた。

「亮…好きっ…っ…」

「俺も好きだよ…」

出発の時間が迫る中、俺達はきつく抱き合った。

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