テキストサイズ

恋ばか

第23章 最終話~再会~

~亮SIDE~
あの日から3年…

俺は今、桜欄学院高等学校を卒業しようとしている。

「小原亮。」

「はい。」

あの日、留架が飛行機に乗る直前に、俺達は約束を交わした。

『俺、待つよ。 何年でも。』

『亮…』

抱きしめたまま、そう告げた。

『だから、安心して行って来てよ。 留架が帰ってくるまでに、俺、もっとかっこよくなるから。』

俺の言葉に、留架は目尻に涙を溜めながら微笑んだ。

『もう十分かっこいいだろ?』

『まだまだ。 もっと留架をメロメロにするから。』

留架は一瞬固まると、柔らかい笑みを浮かべた。

『もう十分メロメロだよ。 バーカ。』

『ぇ!?』

言い終わると同時に留架は真っ赤になり、体を反転させて飛行機に乗り込もうとした。

『留架!! 俺、待ってるから!!』

慌てて声を掛ければ留架は一瞬だけ振り向き、にっこり笑うと、黙って頷いた。

――――――――――――




(月日が経つのは早いよな…)

約束を交わしてから3年…

こちらもなにかと忙しくて、結局、一回も留架に会っていない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ