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恋ばか

第26章 番外編~Merry Christmas~

「普段ならこんなことでここまで傷つかないのですが、やはり、今日がクリスマスだから…というのもあるんでしょうね。」

「クリスマスだから?」

「…そうかもな。」

三神の言葉に首を傾げるが、境は納得したように頷いた。

「どういうことだよ?」

「…留架はな…母親を亡くしてから、今日まで一度もクリスマスを祝ってないんだよ。」

悲しい顔をして、境は言葉を続けた。

「お前も聞いただろ? こいつの母親は、クリスマス直前に亡くなったって。 だから、こいつはクリスマスを祝うことを拒絶してた。」

「…………」

少し考えれば、わかったはずなのに…

「でも、お前という特別な存在が出来たから、こいつはクリスマスを一緒に祝おうとしたんだよ。」

どうして俺は、そこまで考えてやれなかった?

「………さ……」

「留架!?」

留架の方を振り向くと、目にうっすらと涙を浮かべて寝言を繰り返していた。

「かあ…さ…」

「…………」

母さん―…

「ごめっ…なさ…」

涙を流しながら、母親に謝り続ける留架。

「留架…」

あやすように頭を撫でてやると、安心したのか、ふんわりと笑った。

「ごめん…」

ごめんな、留架―…

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