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恋ばか

第29章 ~好きになっちゃいけない人~

「俺もっ…」

泣きじゃくりながら、空さんの腕の中に飛び込む。

「そんな泣くなよ。」

空さんの匂い。声。笑顔。温もりに包まれ、俺は目を閉じた。

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「いや~、参ったよね。」

面白そうに笑う亮さん。

「境を車に乗せて戻ったら、ラブシーンの真っ最中なんだもん。」

「もうっ…亮さん!!///」

真っ赤になる俺を見て、境兄ちゃんたちは面白そうに笑った。

「いい加減にして下さいっ!!」

「まぁまぁ、面白いからいいじゃん。」

「境兄ちゃんまで…」

今俺たちがいるのは、境兄ちゃんの病室だ。

「また遊ばれて…」

「空さんっ!!」

その声に振り返ると、空さんがお見舞いの果物を持って立っていた。

「ほらよ。」

「サンキュー。」

境兄ちゃんに果物を渡し、空さんは椅子に腰かけた。

「随分遅かったですね。」

「あぁ。 ちょっとな。」

なにかあったのかな?

「…で、体の具合はどうだ?」

「ん~…まあまあ?」

体を少し動かしながら、境兄ちゃんはそう答えた。

「そうか。」

境兄ちゃんの答えを聞いて、空さんはそう言い、うつむいた。

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