テキストサイズ

恋ばか

第29章 ~好きになっちゃいけない人~

「口挟んでごめんね? 前から言おうと思ってたんだけど…」

「もっと迷惑かけろ。」

今度は、空さんが口を挟んできた。

「お前らは、兄弟そろって自分で抱え込むから、逆に心配になる。」

「空さん…」

空さんの言葉に、みんな頷いた。

「そうそう。」

「うわ、ユイ!?」

いつの間にか、ユイが病室にいた。

「真依ちゃんも…」

「こんにちは。」

ユイの隣には、真依ちゃんの姿が。

「……なにしに来たの?」

「なにって…五十嵐さんのお見舞い。」

二人は、部屋のソファに腰掛けた。

『っていうか春架、もしかしなくても亮いる?』

「あ…うん。」

そういえば、普通に電話してたけど…

『じゃあ、みんな春架のことよろしくね!!』

「留架!?」

亮さんがいることを知ると、兄ちゃんは急に焦りだした。

『じゃ!!』

「あっ!!」

亮さんがパソコンに手をかけた瞬間、通話は切れた。

「切れた…」

…かと思ったら、またかかってきた。

「もしもし?」

『一つだけ言い忘れた。』

まだなにかあるのかな?

『空。』

「ん?」

兄ちゃんが、パソコンの前に空さんを呼んだ。

『春架のこと泣かせたら、アメリカから飛んで行くからな。』

その言葉に、空さんは得意気に笑った。

「安心しろ。」

「ぅわ!!?」

体が浮き、気が付いたら空さんの膝の上にいた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ