
恋ばか
第33章 ~貴方だけを愛してます~
「本当にごめん。 謝って済むようなことじゃないのはわかってる。」
「臣…」
謝らないといけないのは俺の方なのに…
「臣、正直に答えてほしいんだ。」
「なに?」
臣の手を握っている手が震えているのがわかる。
「臣は今、誰が好き?」
俺の質問が予想外だったのか、臣は目を丸くした。
「俺に気を遣わないで、臣の本当の気持ちを教えてほしい。」
「………境…」
臣はしばらくすると、静かに俺の名前を呟いた。
「顔、上げて。」
「…ぇ…っ!?」
言われた通り顔を上げると、唇に柔らかいものが当たった。
「お…み…」
「俺には、境しかいないよ。 今も、これからも…」
臣の言葉に、俺の目から涙がこぼれ落ちた。
「臣っ…臣…ッ…」
「境…」
そんな俺を見て、困ったように笑った臣は、優しく微笑んだ。
「好きだよ。」
「お、れ…も…」
好きだ…
「んっ…」
本当に…どうしようもないくらい…
「ふぅ…はっ…」
俺はこの男が…好きなんだ。
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「んっ…ちょ、待っ…」
「ん?」
俺の言葉に、臣は顔を上げた。
