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恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~


「臣!!」

臣の病室に着くと、俺は車椅子から立ち上がって臣に駆け寄った。

「今は眠っています。 点滴も打ちましたし、しばらくしたらお目覚めになると思います。」

先生はそう言うと、一礼して出て行った。

「…臣…」

こんな…こんなにやつれて…

「ごめんな…俺のせいで…」

俺が臣の言葉を聞いてやらなかったから…自分のことしか考えなかったから…

「ごめん…臣…」

俺は臣の手を握りながら、ただただ謝罪の言葉を繰り返した。

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「ん…」

あれ…俺…いつの間にか寝てた?

「…境。」

「……臣!!?」

名前を呼ばれて顔を上げると、少しだけ顔色の良くなった臣の顔があった。

「大丈夫か!?」

「大丈夫だよ。」

臣の笑みに、俺は胸を撫で下ろした。

「よかった…」

「心配…してくれたの?」

臣の言葉に、握っていた手をさらに強く握りしめた。

「当たり前だろ!! お前は、俺の…」

そこまで言って、言葉を止めた。

それより先に、臣に言わなきゃいけないことがある。

「……臣…俺…」

「ごめんな。」

謝ろうとすると、先に臣に謝られた。

「え?」

「あの日…境を傷つけて。」

あの日って…保健室のことだよな?

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