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恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~

「そうですか。」

先生は手早く診察を終わらせると、こちらも手際よく俺に服を着せてくれた。

「順調に回復してますね。」

その言葉に、部屋にいた全員が胸を撫で下ろした。

「この分なら、予定よりも早く退院できそうですね。」

それは本当にありがたい。

「そしたら、いっぱいデートしましょうね!!」

「誰がさせるか。」

俺…いろんな意味で退院するのが不安になってきた。

「まぁ、私としては退院されてしまうと寂しいですけどね。」

「俺もですよ。」

先生の顔見て、笑いあう。

「先輩が退院するまで、毎日通いますからね!!」

「別に来なくていいよ。」

冗談じゃなく、心の底からそう思う。

「なんでですか!!」

うるさいからだよ。

「そういえばさ、真中ってなんで境兄ちゃんのこと好きなの?」

そういえば、まだ理由を聞いてない。

「うーん…先輩みたいな人に突っ込んでみたいから?」

「「は!!?」」

お前…そんな可愛い顔してバリタチか!?

「絶対僕の方が、先輩を満足させられると思いますよ?」

真中が浮かべた笑みに、背筋が凍った。

「僕と一回してみませんか?」

「誰がやらせるか。 お前なんかより俺の方がうまい。」

声がでかい。

廊下を通る看護師さんが俺に変な目を向けてくる。

「なに言ってるんですか!! 絶対僕の方がうまいです!!」

「お前なんかに俺が負けるか!!」

口論の結果、俺に矛先が向かった。

「境!!」

「先輩!!」

春架と空がお腹を抱えて笑っているのが目に入った。

「「どっちがいい(ですか)!!?」」

「………」

先生も面白そうに笑っている。

「お…」

「「え?」」

俺にも我慢の限界があるんだよ。

「お前ら、帰れー!!!!」

「「ええ!!?」」

留架…俺、近々そっちに行くかも。

~END~

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