テキストサイズ

恋ばか

第35章 ~おまけ2~


「兄ちゃん、お帰り!!」

「ぅわっ!?」

卒業式が終わり、亮の教室にいると、春架に後ろから抱きつかれた。

「ただいま、春架。」

振り返って頭を撫でやると、春架は嬉しそうに笑った。

「へへへ。」

「なんだよ?」

顔をうずめてきた春架にそう問いかける。

「兄ちゃんだ~…」

「??」

春架はそう呟いたっきり、なにも言わなくなった。

「よっ、留架。」

「あ、空。」

しばらくそのままの状態でいると、空が教室に入って来た。

「お帰り。」

「ただいま。」

空の声が聞こえたからか、春架は勢いよく顔を上げた。

「空さん!!」

「よ。」

空の姿を見るなり、春架は俺から離れ、空の方に移動してしまった。

「3年ぶりに会ったのに、俺より空なのか…」

「当たり前だろ。」

得意気に笑いながら、空は春架を引き寄せた。

「ちょ、空さ…///」

春架、顔真っ赤にしてるし…

「留~架。」

「!!」

そんな二人を眺めていると、亮が後ろから抱きついてきた。

「ぁ…亮か。」

「なんでそんなにがっかりしてんの?」

俺の反応に、亮は不満そうに口を尖らせた。

「がっかりなんてしてないよ。 ただ…」

「ん?」

腰に回っている亮の手を握る。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ