恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「3年も会ってなかったから、亮がそばにいるのが夢みたいでさ。」
幸せすぎて、夢ではないかと疑ってしまう。
「だから、そんな顔しないでよ。」
「っ!!」
振り返って亮に短くキスをすれば、亮は驚いて固まった。
「またそういうことして…」
「…境。」
その光景を見て、境がため息をついた。
「カズいた?」
「あぁ。」
境が頷いた瞬間、カズが教室に入ってきた。
「お待たせ。」
全員がそろったことを確認すると、春架が俺の服を引っ張ってきた。
「ん?」
「あのさ…卒業祝いしようよ。」
春架の提案に、亮が真っ先に反応する。
「いいね、やろうよ。」
「でも…準備とか…」
「もうしてあるよ。」
驚いて春架を見る。
「全部準備したよ。」
本当に春架がそんなことを?
「だから…ね?」
「…そうだね。」
はあるかの頭を撫でながらそう言うと、春架は嬉しそうに笑った。
「やった!!」
3年間会わなかったうちに、随分成長したな…
「……兄ちゃん?」
心の中でそう思っていると、不思議に思ったのか春架は首を傾げた。
「なんでもないよ。」
春架の頭を撫でるのをやめる。
「そろそろ行こうか。」
「うん。」
俺の言葉を聞き、みんな動き出す。
「本家に向かえばいいのか?」
「うん。」
行き先を確認し、運転手にそれを告げる。