
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「さっき話せなかったんだけどさ…」
喉を鳴らしながら鏡夜が甘えてきた。
「俺、何回か向こうで襲われかけてて…」
「「!!?」」
亮の手が…俺の頭に伸びてきた。
「フーッ!!」
「鏡夜、大丈夫だよ。」
「………」
鏡夜をなだめる。
「ほんと…そっくりだな…」
「誰に?」
鏡夜を見ていると、彼を思い出す。
・・
「鏡夜に…」
「鏡…夜…?」
「うん。」
俺は頷くと、話を続けた。
「俺が3年間無事に過ごせたのは、鏡夜のおかげなんだ。」
本当に…彼がいてくれてよかった。
「襲われそうになった時、大事にいたらなかったのは、鏡夜が助けてくれたからだった。」
彼がいてくれなかったら、俺は…
「鏡夜…亮に似てた。」
「俺に?」
今ここに居られなかったかもしれない。
「うん。 正義感が強くて、勉強もできて、人望もあった。
ある程度の運動ならこなしてたし…」
亮の隣に…戻って来られなかった。
「性格は全然違ったけど…」
亮は明るくて、人当たりがよく、いつも笑ってる。
「鏡夜は、無口でいつも無表情だったけど、すごく頼りになる人だった。」
鏡夜の隣は居心地がよくて…俺はいつも鏡夜と一緒にいた。
「真っ黒な髪に真っ黒な瞳。 髪もさらさらしてて、この子みたいだった。」
膝の上に乗っている子猫は、本当に鏡夜に似ている。
