
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「うん。 さっきのを見て、留架が襲われてるって思ったんじゃないかな?」
さっきのって…亮にキスされたやつか?
「そうなの?」
「にゃ~?」
って…猫に聞いてもわからないか。
「ま、とりあえず乾杯しようぜ。」
「だね。」
境の言葉に、みんながグラスを持ち上げる。
「じゃ、兄ちゃんが帰ってきたのと皆さんの卒業に乾杯。」
「「乾杯。」」
グラスがぶつかる音が部屋に響く。
「そういえば、この3年間こっちはどうだったの?」
「特にはなにも…」
まぁ、春架と空のことは大体知ってるし…
「そっか…」
「うん。 ところで、この子の名前は?」
子猫を撫でながら、春架が聞いてきた。
「もう決めてあるよ。」
「なに?」
春架に撫でられている子猫を抱き上げる。
「鏡夜。」
「キョウヤ?」
「うん。」
境の名前と似ていて紛らわしいけど…
「『鏡』に『夜』って書いて『鏡夜』。」
「へぇ~、かっこいいね。」
子猫を膝に乗せる。
「気にいった?」
「にゃ~。」
そう尋ねると、鏡夜は嬉しそうに鳴いた。
「どうしてその名前にしたんだ?」
「………」
鏡夜を撫でながら、空の質問に答える。
