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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「どう? やる?」

鏡夜がこの条件を受け入れる可能性は100%じゃない。

この話を蹴ることだってあり得る。

「…………」

鏡夜は黙って、俺が差し出した小切手を受け取った。

「留架…いいのか? こんな大金…」

「ん? 別にいいよ?」

あー…さすがに、六千万をもらうのには抵抗があるか。

「じゃあ、こうしようよ。 俺が、六千万で鏡夜の腕を買う。」

「え?」

うん。

それならいい感じ。

「今の鏡夜には、六千万をかける価値があるよ。 あの先生のところで助手をしてたってだけで、結構評判になる。

鏡夜の経歴を見るかぎり、将来それ以上の利益を出すと思うし。」

俺だって、私情だけで動いたりしない。

ちゃんと将来のことを考慮して、鏡夜にこの話を持ちかけたのだ。

「それでどう?」

「……あぁ…留架の予想を上回る成績を出してやるよ。」

さすが。

俺の見込んだ通りだ。

「足りなかったら言って。 費用は全額俺が出すから。」

資金を増やすのは簡単だ。

その辺は問題ない。

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