恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「お前、それを本人の前で言うなよ!!!」
『あぁ…悪い悪い。』
全然詫びてないよね。
うん。
絶対わざとだね。
さすがニック。
「ニック…相談したいことがあるんだけど…」
『ん?』
「今の話スルー!!? ちゃんと聞いてた!?」
ん?
ちゃんと聞いてたよ。
「あのさ…いい機会だし、こっちに来ない?」
『そっちに?』
「えええ!!?」
「リチャード、うるさい。」
リチャードが、いつ亮に目移りするかわからないし。
「三神もいるし。 リチャードは、俺一人じゃ手に負えないし。」
『うーん…』
ちなみに、どうして三神の名前を出したのかは、察して。
「資金は俺が出すよ。」
『行く。』
だよね。
今心配してたの、資金面だけだもんね。
「やった!!」
「来るな!!」
あ、そうそう。
兄貴とか言ってるけど、リチャードとニックは双子の兄弟だから。
一卵性双生児だから、見た目そっくり。
「じゃ、手続きは済ませておくね。」
『あぁ。 俺も速攻そっち行くわ。』
電話を切ると、絶望の表情を浮かべたリチャードが。
「どうしたの? 顔色悪いよ?」
「あいつが来るのか…」
かなりへこんでるな。
ま、しょうがない。