テキストサイズ

恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

好きになるのは、女性の方。

一生、変わることなどないと思っていた。

いけないことだとわかってるのに…

気持ちが抑えきれないのはどうしてだろう。

あんなに酷いことをされたのに。

あの方には、他に好きな人がいるのに。

自分など、ただの玩具でしかないのに。

日に日に増していくこの想い。

どうすればいいのか…

誰か教えて下さい。

━━━━━━━━━



















「うーん…三神、おはよう。」

「おはようございます。 留架様。」

眠そうに起きてきたのは、私がお仕えしている方。

桜木留架様。

お仕えして…もう十八年になる。

「三神も大変だよね。 毎朝、こんなに早く起きてるんでしょ?」

「これが仕事ですから。」

そう言われる留架様が、こんなに早く起きる理由は一つ。

「留架様こそ、亮様のために早起きするなんて…素晴らしい事ではありませんか。」

「へへへ。」

亮様の…留架様の恋人に、朝ご飯を作るため。

「召使にやらせればよろしいことを、ご自分でやられてしまうのですから。」

「俺、一応亮の世話係だからね。」

今から四年以上前の約束を、留架様は守り続けていらっしゃる。

「そうでしたね。」

「それに…亮のために料理を作るのも、悪くはないしね。」

この間まで、ほんの小さいお子様だったのに…

いつの間にこんなに立派になられたのか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ