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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「懐かしいね。 三神に、執事の仕事を叩きこまれたっけ?」

「その節は…申し訳ございませんでした。

留架様に、ご無礼を働いてしまって…」

「なに言ってんの。」

いくら仕事とはいえ…主人に、失礼なことをしてしまった。

「俺が頼んだんだし。 それに、仕事上は俺の上司でしょ。」

「しかし…」

「いいの。 俺、三神にはすごい感謝してるんだ。」

今まで、いろんな方を見てきた。

けど…

「俺の執事でいてくれて、ありがとうね。」

「留架様…」

こんなに素晴らしい方には、お会いしたことがない。

「さ、ご飯もできたことだし、みんなを起こして来ようか。」

「はい。」

あの方が、留架様を好きになるのも無理はない。

「……っ……」

「三神?」

扉をノックする手を、思わず止めてしまった。

「大丈夫?」

「……すみません。」

留架様の心配そうな声。

この方は、私の気持ちをご存知だから…

「…失礼します。」

気持ちを落ち着かせ、扉を開けた。

「リチャード様、おはようございます。」

「ん~…」

また今日も…違う方の香りがする。

昨夜も、誰かを抱かれたのでしょうか。

「リチャード、起きて!!」

「留架…?」

この方が日本に来てから、毎日のように違う方を抱いていらっしゃる。

いい加減、慣れてきた。

「モーニングキスしてくれたら起きるよ。」

「バカ。 誰がするか。」

こんな光景も、毎日見る。

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