恋ばか
第6章 ~お風呂~
~亮SIDE~
「…黒澤…お前一体何を考えている?」
黒澤を睨みながら言うと、黒澤は笑顔で答えた。
「別に何も考えておりませんよ。」
「嘘つけ。さっきも今も有り得ないくらいタイミングがよかった。
偶然にしては出来過ぎてるよな?」
俺の挑発には乗らず、笑ったまま黒澤は冷静に答えてきた。
「私はただ、坊ちゃまに変な虫がつくのを防いでるだけですよ。」
そう言って、出て行った。
「はぁ~…」
(なんか、めんどくさい事になりそうだな…)
今、腕の中には気絶してしまった留架がいる。
のぼせてしまったのか、顔は真っ赤だ。
(とにかく、部屋に戻るか…)
そう思い、俺は風呂場を後にした。