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「晃一、今のは…」

「私が誰のものか…でしたよね？」

「っ…」

にっこり笑うと、何かを感じ取ったのか、ニック様の表情が固まった。

「それは、もちろん…」

さっきの電話…

簡単には許しませんよ？

「留架様のものです。」

「へへへ。　やったね。」

たぶん、私は、恋愛とかそういうものに関しては淡白…というわけではないだろう。

好きになれば、それなりに執着もするし、嫉妬もする。

「いや、晃一…誤解だって…」

「なんだ。　お前、彼女いたんじゃないか。

遊びで晃一と付き合うとは…許せんな。」

「誤解だって言ってんだろ。」

あんな堂々と女性の方から電話がかかってきて、しかも、付き合っていたですって？

「ふふふ。　言い訳なんてしなくていいんですよ？　やっぱり、お付き合いするなら女性ですよね？」

「晃一、本当に…」

どうしてくれましょうか？

結局、私は二股をかけられていたってことですか？

「お気になさらないで下さい。　男としては、当然のことなんですから。」

「…っ………」

「さぁ、晃一。　こんなふざけた奴は放っておいて、私と…」

「ロバート様は黙っていて下さい。」

さて…

そんなやりとりを見て、留架様方が一言。

「三神って…」

「案外怖いんだな。」

「嫉妬深さは、主人譲りだろ。」

「失礼な。　俺、そんなに怖くないけどなぁ…」

「ま、あれだな…」

「恋は人を変えるってこと。」

…そういうことです。


～END～