恋ばか
第42章 番外編~永遠の愛を~
こんにちは。 えっと…俺のこと覚えてるかな? 桜木留架です。
皆さんと最後にお会いしてから、数年経って…
俺達は大学を卒業して、それぞれ家の会社に勤めてます。
学生の時に比べたら、会う機会はものすごく減ったけど、俺と亮の関係は続いてる。 もちろん、他のみんなも。
リチャードとニックは大学を卒業したらアメリカに帰っちゃったから、三神とニックは遠距離恋愛してるけど、そっちもいたって順調。 まあ、仕事の関係で、二週間に一回は会ってるしね。 近いうち、ニックは俺が経営してる病院に転勤してくる予定だし。
ま、たまに喧嘩することもあるけど、みんな仲良くやってるんだ。
仕事でトラブルが起ることもあるけど、毎日充実してるわけ。
だけど…悩みが一つ。
実は、もうすぐ亮の誕生日なんだ。
小原財閥の長男の誕生日なわけだから、そりゃあもう、盛大なパーティーが開かれるわけ。 毎年、みんなと一緒に出席してるんだけど…プレゼントが決まらない。
社会人になったわけだから、それなりの物を渡したいんだけど…そろそろネタ切れ。
一昨年は時計。 去年はネクタイをあげたんだ。
今年はどうしようなかぁ…
「はぁ…」
「失礼します。」
ため息をつくと同時に、ドアをノックして入ってきたのは、俺が最も信頼している秘書。
「随分暗い顔をなされてますね。」
「………ちょっと考え事してただけ。 で、三神、どうしたの?」
三神は俺を見て心配そうな表情を浮かべた後、何枚かの書類と…
「亮様からこちらが届きました。」
亮の誕生日パーティーの招待状を渡してきた。
毎年もらってるから、三神が部屋に入ってきた時点で気づいてはいたけど…
「ありがとう。」
「……何か悩んでいらっしゃるようですね。 亮様に贈る、誕生日プレゼントですか?」
さすが。 長年俺の面倒を見ているだけあって、三神はなんでもお見通し。
まあ、この時期に俺が悩むのは、毎年恒例だからね。