恋ばか
第42章 番外編~永遠の愛を~
「そう。 今年は、どうしようかな…って思ってさ。」
境に相談しようと思ったけど、どうせ、
「ベッドルームで裸になって、体にリボン巻き付けて、『プレゼントは俺だよ。』って言えばいいんじゃね?」
とか言うに決まってる。 実際、昔クリスマスに似たようなことやったし。
「亮様は、特に欲しい物などないようですしね。」
「…うん。」
そうなんだよなぁ…
日本有数の小原財閥の長男である亮。 欲しいと思った物は大体手に入る。
でも、何もあげないっていうのもなぁ…
「ネクタイや時計を贈られたのでしたら、ネクタイピンなどはいかがですか?」
「さすが三神。 よし、それにしよう。」
せっかくだし、オーダーメイドで作ろうかな。 亮の誕生日まで、まだ時間あるし。
「ありがとうね。」
「いえいえ。」
それにしても……亮の誕生日パーティーか…
行きたいんだけど…行きたくないんだよなぁ…
「まだ暗い顔をなされてますね。 何か不安にお思いのことでも?」
「うーん…まあ…ね。」
日本有数の小原財閥の長男であり、一人息子の亮の誕生日パーティーには、俺や境達だけでなく、当然ながら日本中…どころか、世界中から有名企業の社長令嬢が来る。
毎年のことだけど…パーティー当日、亮は、それはそれはたくさんのご令嬢に囲まれるわけで…
ほとんど、話す時間がない。
だから、後日、俺達だけで誕生日パーティーをやってるんだ。
「当日は、たくさんのご令嬢が亮様とお話しするために、亮様を囲まれていますからね。」
「そうなんだよねぇ…」
で、問題なのが…
俺は亮の誕生日パーティーが終わった後、二日後にはアメリカに出張。 一ヶ月は帰って来られない。
つまり、今年は内輪だけのパーティーもできないんだ。
「プレゼント、渡せるかなぁ…」
「渡せますよ、きっと。」
三神はそう言って、俺を励ましてくれたけど…難しいだろうなぁ…
「はぁ…」
何回目かの大きなため息をつき、溜まっている書類に手を伸ばした。