恋ばか
第42章 番外編~永遠の愛を~
「……香水臭い…」
きっと、パーティーで亮にベタベタしていたご令嬢のものだろう。
亮は俺のなのに…他の人間の臭いが付いてるなんて、許せなくて…
「!? 留…」
ぐいっと亮の体を横に倒し、その上に乗っかり、体勢を反転させた。
「留、留架…?」
「………亮、自分と俺以外の匂いさせるの禁止。」
「へ?」
どうやら、香水臭いと言った俺の言葉は聞こえていなかったらしい。
不思議そうに首を傾げた亮は、はっとしたように、自分のシャツの匂いを嗅ぎだした。
まるで、浮気がバレて匂いを確認している人間に見えて…俺、ますます不機嫌。
「留架、これはパーティーの時に…」
「わかってる。 ちゃんとわかってるよ。 ご令嬢達を無下に扱えないことも、わざとベタベタさせたわけじゃないってことも。」
でも…やっぱり、悔しい。 亮から他の人間の臭いがするのは嫌だ。
「でも…嫌。」
「ははっ。 留架が独占欲見せるなんて珍しいね。」
いつもは、我慢してるだけ。 だけど、今回は…香水の臭いだけは、付けてきてほしくない。
「あのね…留架も香水の臭いしてるよ?」
「え!?」
嘘…でも、ご令嬢に抱きつかれたりはしてないのに…
「匂いキツイご令嬢でもいたんじゃない? 別に、ご令嬢に抱きつかれたりはしてないでしょ?」
「なんで…そのこと知ってんの?」
会場では、亮と話したのは最初の挨拶だけだし…
その時以外は、ずっと会場の端と端にいたのに。
もしかして、ずっと気にかけて…
「留架に変な虫が付かないように……見張ってたに決まってるでしょ。」
「………ふふふ。」
俺と一緒だ。 俺も、ご令嬢と話しながら亮のことずっと見てたし。
「俺以外の匂いさせて……俺が気にしないと思った? でも、留架に引かれたくなくて、我慢してたのに。」
引くわけないじゃないか。 亮がしてくれること、思ってくれること、全部……嬉しいよ。