恋ばか
第8章 ~親友、そして再会~
「ここだよ。」
「…へぇ~。」
廊下を歩いて、亮の部屋の前に到着した。
「…開けるよ?」
「…うん。」
ドアノブに手を掛け、扉を開けて部屋に入ると…
「亮!?」
キスしている亮と黒澤さんがいた。
「留架ッ!? ち、ちが!! これは…」
必死に説明しようとした亮の声は、境の言葉で遮断された。
「臣…?」
その声に、黒澤さんは目を丸くした。
「境…様…ですか…?」
その言葉に、境も確信を得たようだ。
「やっぱり…臣なのか…? なんで…ここに…」
境を見ると、驚いたような、傷ついたような表情をしている。
「あなたの元から去った後…坊ちゃまのお父様に拾われたんです…」
いつもは冷静な黒澤さんが、今はかなり動揺している。
「なんで黙って出て行った?」
「それはっ…」
黒澤さんは顔を伏せ、押し黙ってしまった。
そして、重々しく口を開いた。