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恋ばか

第8章 ~親友、そして再会~

そこまで話すと、黒澤さんはつらそうに顔を歪めた。

「しかし、その2年後…私はその誓いを守れなかった…」

俺達三人は黙って黒澤さんの話を聞いていた。
チラッと境を見ると、少々顔が赤いような気がした。

「その頃になると、私はずっと境様の事を考えるようになりました。 最初の頃は自分の気持ちに気づかなかったのですが、ある時急に思ったんです。
自分は…境様が好きなんだと…」

その言葉を聞いて、境の顔が真っ赤になる。

(…境…もしかして…)

境を見て、そう思った。
そんな事を考えていると、黒澤さんが再び話し出した。

「その気持ちも隠し通す自信があった…境様以外には…境様は私の考えている事はすべてお見通しでしたから…」

境を愛おしそうに見つめながらそう話した。

「しかし、その気持ちに気付いて2ヶ月後…人を好きになった事なんかなかった私は、自分の気持ちを抑えられず、境様にキスしてしまった。」

境から目をそらして申し訳なさそうに言った。

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