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さくらさく

第2章 1

ドクン、ドクン…

「さくら?」

「あっ。ごめんぼーっとしてた」

「相変わらずだな。まぁソコがかわいーんだけどねぇ!!」

「えー♪?」

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…

奈々ちゃんの言葉が胸にのこってる。

そのことは考えたくなかった。

というか、考えてはいけないのかもしれない。


私が死ぬかもしれないなんて。

そうこれは、1ヶ月前の話ーーーー………。




1ヶ月前、私は通い慣れた中央病院に入院した。

通い慣れたっていうのは、私は元々体が弱く、普通の人より免疫力が低くて、よく入院してたから。

それにプラス、小3の時に事故にあって、さらに免疫力低下。

成長するにつれて、免疫力は上がってきたと思ってたんだけど……


「げほっ…げほげほ…ァ…げほっ」

急に咳が止まらなくなった。

「…ぐ…っげほっげほっ!!…んぁ…きっつ…」

心臓の検査とか、血採ったりとかいっぱいした。

いつもこの検査をして、薬貰って、いっぱい飲んで…

それでなおったよ。

でも今回のはなおらないの。

私頑張ったよ。

痛いの我慢したよ…?

それでもなおらなくて…

「げほっげほっ!おか…さ…ん。」

「どうしたの?キツい?」

キツいのは当たり前

いつもそう。

「なおらないよ…?いつもだったら…ごほっ…もうなおってるのに…」

私がそう言うと、母は震えたからだで私を抱きしめた。

「大丈夫よ…もうすぐで退院できるからね」

私はこの時思った。

もうすぐで死ぬんだなぁ。


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