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さくらさく

第8章  7*祐樹の過去2nd*


母さんの不安そうな顔…

見たくない。

見たくないけど…

「父さんが帰ってこない理由わかる?」

「ええ。仕事…でしょ?」

母さんは日向を見てる。

「母さん、日向も知ってるからここにいるんだ。怪しまないで。」

「えっ、ええ…」

怖い、怖い…

ぎゅっ

「!」

日向が俺の手を握る。

「嫌だろうけど…少しは落ち着くだろ?」

俺…手ぇ震えてたんだ…

「母さん、父さんは浮気してる。」

「………え?」

「俺見たんだ。父さんが母さんじゃない人を抱いてた。」

「!!!」

俺はまだ小学生だけど、父さんがしていたことが『抱く』ってことくらいわかる。

「…それは、いつの話?」

「1年前。俺が静かになった頃。」

「……どうして…言わなかったの?」

「母さんを、傷付けたくなかったんだ…」

「…ゆ、うき…」

日向が俺の手を離す。

「祐樹も言えたし、オレ帰ります。」

日向はランドセルをからった。

「じゃあな。」

「日向!!ありがとう!!」

日向は笑って家を出た。

「祐樹。」

「……かあさ「詳しく聞かせて?」

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