
さくらさく
第8章 7*祐樹の過去2nd*
「ふふ…急に黙っちゃって。……心当たりでもあるの?」
ゾクッとする。
あの母さんが…怖い。
…すごく怒ってるんだな。
「あら、自分のこともわからないの?」
「…ああ。まったく心当たりがない。」
嘘つきやがった。
母さんはにこっと笑う。
「祐樹もわかってるのよ?…本当にわからないの?」
父さんはまた黙りこんだ。
「自分の口じゃ言えないのね。」
「…なにを」
「浮気…してるって。」
「…!!!」
1度も母さんの顔を見なかった父さんだが、よほど驚いたようで母さんの顔を見る。
「図星ね。」
「気づいたのは私じゃないのよ?」
「祐樹が見ていたのよ。」
「子どもにバレないように、浮気できないの?」
「わかってるの?」
母さんはどんどん喋る。
何も言わない父さんについにキレた。
「何か言ったら!!!?」
ビク…ッ
父さんは震えた。
あの母さんが叫んだからな…
