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どらくえ3

第8章 ロマリア

パパパパンパッパーン!

ラッパが鳴ってゲートが上がる。

歓声も上がる。

ガチャン、ガチャン。
さまようよろいだ。
戦場で死んだ戦士の鎧に魔物が宿って生まれる。
中身は空洞らしい。

バサバサ!
オオガラスの変種、デスフラッター。
空からの素早い攻撃に要注意。

そして、パンプキンマスク…。
あれ?

頭にかぼちゃのマスク被ってるけど…。

「…人間だよね?」

顔は見えないが、体格や雰囲気からアベルと同い年くらいの青年だ、と思う。

上半身は裸で、防具や武器を身に付けていない。

歓声が大きくなる。

「パンプキン、今日も頼むぜ!」

「がんばれー!」

パンプキンマスクはガッツポーズをしてみせる。

「人気あるな~」

「でも大丈夫なのか?剣も鎧もなくて」

「まあ見てなさいって」

ママはなんだか得意そうだ。

カーン!

ゴングが鳴った。

さまようよろいとデスフラッターがパンプキンマスクに向かっていく。

「あいつら、集中攻撃するつもりだ!」

しかしパンプキンマスクに一向に慌てる様子はない。
デスフラッターが空から、さまようよろいが地上から迫る。

…やられる!

と思ったとき、パンプキンマスクは地面蹴って、空中をくるくると回転していた。

「うわ、すっごーい!」

確かに目を見張る跳躍力だった。

パンプキンマスクはそのまま闘技場の壁を蹴り、デスフラッターに飛ぶ。

デスフラッターはパンプキンマスクの意外な素早さについていけなかった。

パンプキンマスクはデスフラッターの首を空中で決めると、そのまま地上に向けて落下する。

その下には、さまようよろい…!

デスフラッターのくちばしがさまようよろいの鉄兜に激突する。

がーん!

鮮やかな技だった。

一瞬で2体の魔物が地面に転がった。

…。

「おおーっ!!」

観客が一斉に盛り上がる。
デスフラッターはもう動かなかった。

さまようよろいはヨロヨロと立ち上がる。

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