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どらくえ3

第8章 ロマリア

「ふん」

パンプキンマスクは鼻を鳴らせて闘技場中央でさまようよろいを待ち受ける。

仁王立ちだ。

さまようよろいはゆっくりと間合いを詰める。

先程までと違って張りつめた空気が観客席を流れる。

ゴクリと唾を飲む音が聞こえた気がした。

対峙するパンプキンマスクとさまようよろい。

乱れた呼吸を整える。

一閃。

横凪ぎにさまようよろいの両刃刀が凪ぎ払われる。

ブン!

殺った。

さまようよろいに確信させる一撃だった。

しかし、パンプキンマスクは寸でのとこれでかわしていた。

その場に頭を下げて。

そして間合いを詰めた。

両手の掌をさまようよろいの胴体に触れるくらいに合わせる。

「静虎吠叫拳!」

パンプキンマスクが叫ぶとさまようよろいは後方に吹っ飛んだ。

壁に頭をぶつけて倒れるさまようよろい。

ガガッガン!

それきり。

さまようよろいをやっつけた。

「あれって…」

アベルはパンプキンマスクがさまようよろいを吹き飛ばすときに両手から放たれた光に気が付いた。

「うん、魔法みたいな気は感じたけど…ちょっと違うかも?」

リサも首をかしげる。

ママは二人の様子をみて言う。

「あんたたち、いいカンしてる。あれは波動。人間の気が源なのよ」

「気?」

アベルとリサは二人して聞き返した。

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