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恋心

第20章 不器用なキス

彼が眠る
寝息は…温かくて
穏やか
しなやかなラインと
数々の傷やアザ


蘭子は、暗がりから
彼の身体を見ていた。

理由なんていらない
知りたくない
傷つきたくない

だから…

何も聞かない

でも

彼を拾った時のあの
錆び付いた瞳には
誰もうつってなかった

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