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恋心

第25章 君恋しい

秋の空へ向かう紙飛行機は
空高くbillの谷間を縫うように飛ぶ


僕は…もうすぐ
空へ向かう



君恋しい
まだ
見ぬ
その姿。


僕の病室から一面のコンクリートジャングル


『田上さん。田上透さん。血液検査しますね』



窓から目をはなし
ゆっくりと看護師をみた。


『はい。』

僕は…右腕をだして
目を閉じた



毎年同じ様に
血液検査
レントゲン


繰り返して
変わらない日常



僕の身体は
癌に犯されている。

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