テキストサイズ

恋心

第26章 叶わない恋

女性専用車両に乗り込み
少し余裕のある席を見つけ
座る。

窓から見える景色も
変わらず同じで、、。
それを見ながらゆっくり目を閉じる
目を閉じるタイミングも
目を開けるタイミングも
毎日同じ
なにも変わらないあたし


電車はいつも通りとまり
あたしは
降りた。


長い長い
改札までの距離を
色々な人の背中を見ながら
歩く


小さな男の子を連れた
男性が、小さな紙を広げながら
壁の地図を見ている
スーツ姿に痩けたほほ
あたしは、小さな男の子を見た
泣き腫らした瞳
口を一文字に結び
男性のスーツの裾を握りしめていた
遠くからでもわかるくらい
ぎょぅっと

ストーリーメニュー

TOPTOPへ