テキストサイズ

同じ場所~君と僕の見ている風景~

第9章 時間

美保side

映画の撮影の合間に雑誌の取材があった。

「では、ありがとうございました。」


「はい!ありがとうございました!お疲れ様です。」


取材が終わって、控え室で台本チェックをしてると、マネージャーが


「ちょっとトイレ行ってくるね。」

と、出て行った。


直ぐに携帯を取り出す。

メール…来てないかな…


と、思った瞬間電話なる。


翔からだ!


あ、でも、マネージャーが帰ってきちゃう!


そう思いながらも、嬉しさが込み上げる。


慌てて出る。


「おお。出た。」

久しぶりに聞く翔の声


でも、マネージャーが戻って来る事が気になって、


用件は何かと急かしてしまう。



それが気に入らない翔は

悪態をつく。


売り言葉に買い言葉であたしも語気が強くなる。


かけ直さなくて良い。と、言う翔に
あっそ。と、電話を切ってしまう。


気持ちを確かめ合いたい。

ただそれだけの事なのに。

傷つけ合ってしまう。





そうでも、しないと心が壊れる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ