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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第15章 痛み

トントントン!

強めに部屋をノックされる。

「美保!」


「死ねと思った?」


「そうじゃないけど……」

るりちゃんを困らせる。

「死なないから、仕事入れてね。あたしが、仕事以外の事考えられないようにして……」

もう、ただの脅しだよね。

「……美保……ごめんね…あたし何もしてあげられなくて…でも、美保は一人じゃないから、一人にさせないからね!」

るりちゃんは言葉を詰まらせながら言った。

るりちゃんは1ミリも悪くない。


「…翔ちゃんじゃないなら、誰がいたって、あたしは、一人なんだよ……」


自分で別れを選んでおいて、八つ当たりをする。


軸がブレる。



「……ごめん。」


そう言われて


るりちゃんにしがみついて泣いた。


「……仕事までには、気持ち整理するから…ごめんなさい…」

失恋に浸る時間もあたし達には無い。



るりちゃんは何も言わずにただ頷いて、あたしをしっかり抱きしめた。
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