テキストサイズ

同じ場所~君と僕の見ている風景~

第10章 確認

るりちゃんから、この手の質問は、初めてだった。


「え、あぁ。うーん。」
どお答えて良いか分からない。

「行きなよ。」

バックミラーであたしを見る。


「………なんで…」


言葉に詰まってしまう。


「……あたしは、絶対こんな事言っちゃいけない立場なんだけどね。」


少しだけ笑った。


「………るりちゃん」


「……好きなんでしょ?」

「……ん?」


「櫻井さんの事…」


「………………………」


「いいの。答えなくて。続けるのも終わらせるのも、両方ダメージがある。どちらにも進めないでいるんでしょ?」


「………ぅん。」


「なんも変わらないかも知れないし、何か変わるかも知れない。でも、1%でも何か変化つけられるなら、見てみたら?櫻井さんの本職の姿を。」


るりちゃん……るりちゃんは、何も言わなかったけど……


ちゃんと見ていてくれたんだね。


なのに、あたしは、毎日、毎日、辛い、辛いって


何かのせいにして、甘えてばかりで、



何も、実行に移さなかった。


そうだ。


自分達の気持ちの確認すら、出来てなかったんだ。


キミに逢わなきゃ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ