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私はお兄ちゃんに…

第18章 私は本当にお兄ちゃんに?

私は思い切ってお母さんに聞いて見た。


彩奈『お母さん。話が…あるんだけど』

お母さんは真剣な顔をしている私の顔を見て何かを悟ったらしい。



するとお母さんは立ち上がり押入れから10冊ほどのアルバムを出してきた。



そこに写っていたのは…

私とお兄ちゃんだった。


お兄ちゃんは綾斗じゃなかった。


彩奈『やっぱり…』


お母さんは『はぁ』とため息をついて話し出した。


母『ばれてたのね…。綾斗がくる前に貴方にはもう一人お兄ちゃんがいたの。名前は夕陽。
でも離婚して夕陽はあっちに引き取られた。
彩奈は私が引き取った。
お兄ちゃんっ子だったから貴方は号泣していたわ。
それから、喋らなくなった。
少しして再婚した。
新しいお兄ちゃんができた貴方は少し。ほんの少しだけど喜んでいたわ。
綾斗には彩奈が大きくなるまで明かさないでといったわ。貴方はだんだん記憶が消えて行った。
そして夕陽のことも忘れてしまっていた。
普通じゃあり得ないでしょ?
実はね…記憶を消す薬を貴方に飲ませたの。
でも思い出しちゃったのね…』


私はお母さんの目をまっすぐ見ながら、聞いていた。

私が好きなのは綾斗じゃなく夕陽だ。


その時確信した。


ずっと好きだった気持ちを綾斗のことだと勝手に解釈して思い出さないようにしていたんだ…



でも気づいてしまったんだもん。


もう抑えられないよ…




母『夕陽はね今は高校2年生よ。離婚したと言ってもこの近くに住んでいるわ。もしかしたら会ったことあるかもしれないわ。』


私は誰かは知っていた。


綾斗の先輩に夕陽っていたはず。


私は家をとびだした。

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